モース島にあるmorso社を訪問しました。
モース島は、滞在したホテルの目の前
美しいデザインのラーメン橋を渡ればmorso社まで車で10分程の距離です。
morso社は1853年に創業した、大変歴史ある鋳鉄製薪ストーブメーカーです。
デンマーク王室御用達の称号(他ではロイヤル・コペンハーゲンやレゴが有名)を得ており、確固たる信頼と
実質的シェアを有しています。
そんな私達の到着を出迎えてくれたのは、それぞれの国旗と・・・、
morso社 ハンセン社長です
更に、玄関奥のショールームでは炎がお出迎え!
この日の外気温はなんと15℃ 間もなく夏至が訪れると言うのに!
ショールーム奥の事務所でも、ビルトインタイプの5660CBが燃えています。
ハンセン社長による熱の込もったプレゼンテーションの後、工場の見学です。
しかし社員の多くは、1ヶ月のバカンスシーズンに入っており、組み立てラインは極僅かしか稼動していません。
完成ラインには沢山の在庫があります
写真の6148は日本未発売モデルです。
3440CBが完成を待ちます
そして、一通りの見学を終えた私達に用意されていたメニューは、なんとストーブの組み立てでした
実際にラインへ入り、本体にガスケットを取り付け、ボルトを締め、組み立てていきます。
刺青も凛々しいアランに手解きを受け、40分で約50%の組み立てが進みました
簡単で組み立て易い構造は、メンテナンスの容易性につながります。
そして次に案内されたのは、morso社の中枢であるデザイン室です。
個人的には最も興味があるエリアです チーフデザイナーが出迎えてくれました。
デザイン室には5名のデザイナーが在籍しています。
ここで言うデザイナーとは、金属加工や燃焼工学に長け、もちろんデザインセンスがある設計士のことです
先に訪問したSCAN社とは対照的で、マーケットリサーチから新商品の設計までこのデザイン室が行います。
設計(デザイン)には3D CADを使用していました。
ソリッドワークスのようなソフトで、CPファクトリー(仮想工場)を備えているのが特徴です
好きな部位でカットでき、画面上で分解と組み立てができます。
チーフデザイナーより、morso社の詳しいデザインコンセプトを説明していただきました。
なんとなく スティーブ・ジョブス氏似
丁寧なプレゼンは続きます。
私達ディーラーに何をどんな風に伝えると、日本のエンドユーザーまで届くかを知っている方です。
そして彼が、「タイムレスデザインこそが良い商品だ」と言っていたのが印象的でした。
商品がユーザーフレンドリーであれば、破損や焼損した場合でも必要な部品のみ交換でき永く使うことが
できます。
タイムレスデザインとはその様なことで、簡単な構造で容易なメンテナンス性、流行に左右されない飽きの
来ないユーザー目線のプロダクトを設計(デザイン)することです。
デザイン室の隣には燃焼実験室があります。
燃焼室に不活性ガス等を注入し、燃焼データを抽出しています。
そして更に奥の部屋には、安全離隔距離を計測する測定室があります。
移動式の黒い壁は、悪い条件下で赤外線の影響(壁の熱線吸収)がデータに出るようにです。
あえて厳しい条件で試験を行っているのですね
さて、日本未発売モデルも数多くありました
なかでも、個人的に大変興味があるモデルがこちらの5448シリーズです。
鋳物の特性を知り尽くしたデザインが素敵です
午後、ハンセン社長はパフォーマンスを始めました
新商品 morso LIVING シリーズのアウトドア用ピザ釜 "FORNO" の紹介です。
ユーモラスな形が親近感を生みます。
なんだか ハクション大魔王 の住みか「魔法の壷」にも見えてきました
しかしながら、直径750㎜ 重さ110㎏ の堂々としたものです。
熱せられた鋳鉄からの遠赤外線効果でオーブン料理を楽しめます!
ハンセン社長に予め用意しておいた質問にお答え頂きました。
かなり突っ込んだ内容でしたが、どれも期待以上の回答を頂きました。
例えばブランド戦略における優位性や、自社製品に対するステークホルダー、インナーブランディングの方法等
大変興味深いお話を聞くことができました
最後になりますが、ハンセン社長を始め関係者の方々には、今回の工場訪問が大変実りのあるものと
なりました事に感謝申し上げます。 ありがとうございました