築115年の古民家で全工事(煙突の施工とストーブの設置)を行いました。
この辺に煙突が出てくるはずです!?
もちろん、レーザーで正確に墨出しを行います。
それにしても立派な棟瓦です
瓦をめくると、瓦止めの粘土、杉皮と竹の野地が出てきました。
大変手が込んだ造りで、竹は垂木に蔓(つる)で編んであり、粘土は厚いところで6cm程もあります。
屋根には十分な断熱性能があることが伺えます。
煙突囲いができました。
小屋裏に防火区画を設けるのが目的です。
この後、断熱二重煙突の位置やレベルを決めて行きます。
固定した煙突に、アルミインナーフラッシング、そして和瓦と相性がいい鉛フラッシングをかぶせます。
二重の止水対策ですね
アルミフラッシングの裏面には断熱材を貼ってあり、結露を防止します。
瓦の復旧が終わり、雨仕舞いが完了です。
あまりにも棟が大きいため、6インチの断熱二重煙突が小さく見えます
部屋内の断熱二重煙突も接続が完了です
ストーブの真上は畳部屋があるため、梁や棟を避ける位置まで煙突をオフセットしました。
そしてその日の午後、無事に火入れ式を行う事ができました
ご主人が待ち望んでいた瞬間です!
薪ストーブは、ベルギーの ドブレ760CB 熱効率が高い大型の薪ストーブです。
このメーカー 造形が大変丁寧で、高品位の鋳物ストーブを作りだしています。
その存在は、古い木戸や石の間に良く合っています。
谷崎潤一郎が「陰影礼賛」に記していました、「日本建築は、部屋の奥に入るにしたがって外光が減衰してゆく
光の演出に魅力があり、またそれは日本人の美学に馴染むものである」 と。
玄関より差し込む陽光が、土間に美しい陰と影を作り出しています。
そしてこの度「炎の光」が加わりました
感性豊かな若いご夫婦が住まわれるこの古民家を、末永く照らして行く事と思います。