2010.02.19 薪ストーブの着火方法
しばらく寒い日が続きましたが、来週くらいからその寒さも緩んでくる様です。
春が近付くと、火を絶やすことなく(連続燃焼)使っていた薪ストーブも、深夜には火を落とす(断続燃焼)事が
多くなってきます。
そんな時季に増えるお問い合わせが、
「薪ストーブ本体と煙突が、冷えきった状態での焚き始めに煙が室内に戻る!」
と、言うトラブルです。
新規お取り扱いの際にご案内しておりますが、ここでもう一度アドバイスです!
薪は、空気の通りを考慮して組みます。 (写真は SCAN社 CI-8GL CB)
一番下には大割り、その上に中割り、小割りと重ねて行きます。 薪は最初に沢山入れます。
一番上には、小割りした杉の焚き付けと着火剤を2~3ヶセットすれば準備OKです。
後は、着火するだけです!
その後、薪を追加する事も無く、やがてクリーンバーンが始まります。
上から着火された炎は、一見ムダな様に感じますが実は違います。
熱源が上にある事で、煙突内を温めドラフト(上昇気流)を発生させます。
一度ドラフトが起きれば、煙は迷う事無く煙道に吸い込まれて行きます。
扉の隙間や吸気口から煙が逆流してくる事はありません。
下から着火した場合は、燻されて大量に発生した煙が行き場に迷い室内に溢れてきます。
だんだんと炎が下の薪に移って来ました
扉は少し開けたままです。
全体に炎が回ると扉を閉めます。 この間、着火から約20分ほどです。
薪ストーブ本体の温度が200~250℃に達したら空気調整レバーを半分くらいまで絞ります。
後は、温度の上昇を見ながら更に空気の量を絞ります。
煙道のドラフト効果により、少ない空気量で低燃費なクリーンバーン運転が始まります。
大事な事は、煙突に断熱材入りの断熱二重煙突を使用している事です。
室内や屋外の冷えた空気の影響を受けずに、高い排気温度を保つことがドラフトを安定させる
ポイントです。
(JOTUL社 F400の上から着火の様子)
欧米の高性能薪ストーブは煙道のドラフトを前提に設計されています。
シングル煙突ではこの機能は働きません
「煙の逆流」、「空気調整レバーを半分以下に絞れない」、「ガラスが曇る」、
「バックパフ(小さな爆発)が起こる」等の原因は、排気システムに原因が有る場合がほとんどです。
もちろん、良く乾燥した薪を使う事が前提ですよ!
シーズンも後半になりましたが、安全で楽しい薪ストーブライフをお楽しみ下さい。